「朝、起きたら突然、手が動かない・・・」
投稿日: カテゴリー: 院長ブログ
爽やか秋晴れとなりました、、、
でも、また、台風が近寄り、嵐の前の静けさという感じでしょうか?!
久しぶりの「今日の患者さま」シリーズ
今日は「朝、起きたら突然、手を動かし辛く、物をつかめない、、、」と御来院。
いつものようにしっかりと問診、視診、触診、理学的検査をおこなったところ、
力は入れ辛いが指は曲げられ、手を反らす力が低下、拇指はシビレ感があり、
前腕・手の筋肉の萎縮は見られず。
さらにお話を深く聞いていくと、昨夜は左腕を下にした左側臥位で寝ていたとのこと。
以上のことから、左側臥位で寝たことによって、橈骨神経と呼ばれる神経が上腕中央部で圧迫され、
手に障害・麻痺を起こした「橈骨神経麻痺」の疑い。
橈骨神経麻痺は無理な姿勢で寝込んだり、上腕や肘の骨折と合併、後遺症で発症したりします。
その他では腕枕で生じることもあり「ハネムーン症候群」「サタデーナイト症候群」とも呼ばれたりします。
今回の写真の状態は軽度ですが「下垂手(Drop hand)」と呼ばれる状態です。
上腕の中央部で障害が起きると「下垂手」、手首の背屈、指の付け根が伸ばせなくなります。
肘関節の部分で橈骨神経が圧迫されると「下垂指」、手首は背屈果のですが、指が伸ばせなくなります。
今回は麻痺の症状が軽度であった為、下垂手にならないように、手首の固定は行いませんでしたが、
経過を観察して麻痺が進行するようであれば、固定等の処置を行わなければなりません。
突然の腕のシビレ・痛み、動かし辛いなどの症状は、今回のような原因以外にもたくさんございます。
軽視しないで違和感を感じた時は、すぐに御来院下さい!!
(絵)一般社団法人 日本手外科学会