膝の後ろ、外側の痛み
投稿日: カテゴリー: 院長ブログ
バスケットボール中、急に「膝の後ろ、外側に痛み」を感じ、
脚が付けなくなったと御来院。
よく問診、視診、検査を行っても半月板、靭帯損傷、関節損傷の所見はなく、
ただ膝窩外側部に限局性の圧痛、膝の伸展時痛、体重負荷時時痛が著名でした。
そこで、ある症状を疑い、エコー検査。
結果、膝窩ファベラ周囲に炎症反応が診られ「ファベラ症候群」と判明
ファベラ(fabella)とは膝の外側、ふくらはぎの外側、
腓腹筋外側頭の起始部に存在する種子骨の事で、
一般の方は、ほぼお聞きになったことがないことと存じます。
また、種子骨とは靭帯や腱の中に発生する豆状の種みたいな小骨のことをいいます。
ちなみに人体最大の種子骨は、膝のお皿です。
ファベラ症候群とは①ファベラにおける鋭い疼痛 ②限局した圧痛 ③膝伸展時痛 が診られる状態で、
その他、ファベラによって神経圧迫をうけ、シビレ等が出現する場合もあります。
またあまり周知されていない事から膝関節炎、半月板損傷、靭帯損傷と間違えられる場合があります。
アスリート、足をよく使うお仕事の方に発生すると言われ、ファベラの存在率は10~20%と言われています。
治療は基本的に保存療法で周囲の炎症を抑え、関連筋の緊張を取っていきます。
今回の患者様、治療後2~3日で歩行時痛も軽減し、予後良好の経過をたどっております。
「ファベラ(fabella)」私も数年通っている、整形外科勉強会で知識を得ていましたが、
実際、数例しか診たことがありません。
「勉強、大事だな」と改めて痛感した症例でした。
ご参考にどうぞ。